2013年07月29日

女性たちは、政治家のココをチェックしている



以前、ある現職の政治家の方が個人レッスンを受けに来られました。
事前カウンセリングで受講理由を訊いてみると、その先生自身は「自分は政治家としてすごく頑張っている」と思っているのに、どうもそういう印象を持たれていないようだ、それをどうにかしたい、とのこと。

自分では「政治家として頑張っている」と思っているのに、なぜ「人からはそう思われていないらしい」と気が付いたのか、さらに尋ねてみたところ、どうやら秘書(女性)の方から指摘されたようです。

その指摘に今ひとつ納得いかないものの、秘書の方が僕のホームページを見つけて「先生、ここへ行って下さい!」と勧めたので、とにかく受講してみることにした、と。


「これはちょっと、荒療治が必要だな。」と僕は思いました。
見た目や話し方で損をしているのに、かけ離れたセルフイメージを持っていて損に気づけないことはよくあります。特に、政治という尊い仕事に日々粉骨砕身している真面目な男性に、自分の見た目を気にしない人が多い。

それじゃあダメなんです。
人間は、直感的に第一印象で人を仕分けしています。

1.話を聞きたい、と思う相手
2.まあ聞いてもいい、と思う相手
3.一応は聞くけど…と思う相手
4.聞く気にもならない、と思う相手

大きく分けると、だいたいこの4通り。
3だと、悪い部分がクローズアップして受け取られます。
4では、ほぼ無関心です。
10点ビハインドでマウンドに登るようなものですから、ここから「お、意外といいこと言うじゃないの」と奇跡の大逆転を起こすのは、かなり難しい。


さて、それをわかっていただくために、事前にお写真とスピーチ動画をお借りして調査資料を作りました。
その現職の先生を知らない成人男女20名に、何歳に見えるか・何の職業か・どんな印象か等々をアンケートしたのです。(動画は職業がわからないよう一部分のみを見ていただきました)

その結果…
年令は平均して実年齢より5歳高く見られ、職業を政治家と言い当てた人は1人だけでした。
そして、女性たちからの意見はこんな厳しいものでした。(一部抜粋)

・営業のサラリーマン。中間管理職でパッとしないオジサン。
・自営業の店主。あんまり経営うまくいってなさそう。
・学校の先生。ふだんはジャージ姿でいるイメージ。
・弁護士? スピーチはうまいが、清潔感がない。

最後の意見に、すべてが集約されています。
営業・自営・教師・弁護士、とスピーチ力はある程度評価されているのに、「冴えない・締まりがない・清潔感がない」と思われているのです。
その政治家の方はきちんとスーツを着こなしているにもかかわらず、女性たちにはそう見えていません。

アンケートにはさらに、「なぜ、そう感じたのか。どこからその印象を受けたと思いますか?」という設問も作ってありました。
その設問に、女性たちのほとんどが「髪の毛・ヘアスタイル」と書いていました。

ボサボサと無造作なヘアスタイルが、女性にとても不評だったのです。
うちの女性スタッフにも訊いてみると、

・毛ヅヤがないから、老けて見える。
・ヘアスタイルに気を遣っていない人は、清潔感がないように感じる。
・頭はパッと目につく場所なのに、気にしない人は仕事ができなさそう。

と、これまた手厳しい意見。
女性たちは、男性の想像以上に頭髪から多くのイメージを受け取っているのです。

1対1の個人レッスン当日、この結果を見た先生は大ショック。
2回目のレッスンまでに、僕のアドバイスと秘書の方の意見を取り入れて、爽やかにイメージチェンジをしました。
後日、秘書の方から、後援会の女性陣からとても好評で、受講して本当によかったというメールをいただきました。

「男は見た目じゃない、中身で勝負だ!」が通用したのは昔のこと。
外見という予選を勝ち抜かなければ、中身を見てもらえるチャンスが消えてしまいます。

僕の専門はスピーチトレーナーですが、発声・滑舌・話し方だけではなく、スピーチ全体の印象として外観のアドバイスも行っています。
日本の男性は、服や小物のセレクト・着こなし、そしてヘアスタイルで損をしているケースが非常に多く残念です。

これを読んでいる男性の皆さん、今日からもっと鏡を気にしましょう!
自分のセンスに自信がなかったら、身近な女性たちの意見をどんどん取り入れて変身して下さい。
posted by 高津和彦 at 15:06| Comment(0) | 政治家演説エピソード
◆スピーチトレーナーと1対1で期間契約する→ 高津和彦オフィシャルサイトへ
◆1日集中でスピーチトレーニングを受ける→ ベストスピーカー個人レッスンへ